参考書レビュー

大学への数学1対1対応の演習のレベルや問題数は?いつから始めればいい?使い方を徹底解説!

松尾和哉

大阪府立寝屋川高等学校卒 関西大学システム理工学部電気電子情報工学科卒 個別指導6年、集団指導2年の経験

こんにちは。家庭教師かずやです。

数学の問題集を探してると必ずと言っていいほど出てくる『大学への数学 1対1対応の演習』てどんな参考書?とお思いの方、

レベルや使い方などを書いたので是非参考にしていただければ幸いです。

この記事でわかること

  • 『大学への数学 1対1対応の演習』の概要がわかる。
  • 『大学への数学 1対1対応の演習』のレベルがわかる。
  • 『大学への数学 1対1対応の演習』の使い方がわかる。

大学への数学 1対1対応の演習の概要

『大学への数学 1対1対応の演習』は東京出版から出版されている1対1対応シリーズで非常に人気のあるインプット型問題集です。

1対1対応シリーズは全6冊でそれぞれ数学Ⅰ、数学A、数学Ⅱ、数学B、数学Ⅲ(微積分編)、数学Ⅲ(曲線・複素数編)があります。


タイトル 大学への数学 1対1対応の演習 数学Ⅰ 新訂版
出版社 東京出版
問題数 例題53問 演習問題50問
タイプ インプット型問題集


タイトル 大学への数学 1対1対応の演習 数学A 新訂版
出版社 東京出版
問題数 例題54問 演習問題54問
タイプ インプット型問題集


タイトル 大学への数学 1対1対応の演習 数学Ⅱ 新訂版
出版社 東京出版
問題数 例題83問 演習問題83問
タイプ インプット型問題集


タイトル 大学への数学 1対1対応の演習 数学B 新訂版
出版社 東京出版
問題数 例題59問 演習問題59問
タイプ インプット型問題集


タイトル 大学への数学 1対1対応の演習 数学Ⅲ(微積分編) 新訂版
出版社 東京出版
問題数 例題75問 演習問題75問
タイプ インプット型問題集


タイトル 大学への数学 1対1対応の演習 数学Ⅲ(曲線・複素数編) 新訂版
出版社 東京出版
問題数 例題36問 演習問題36問
タイプ インプット型問題集

『大学への数学 1対1対応の演習』の構成は、1つのテーマに対して要点の整理、例題、演習問題があります。

例題と演習問題は1対1で対応してますが難易度は例題<演習問題と演習問題の方が難しいです。

個人的レビュー

解説が上級者向け

解説が上級者向けというのは『大学への数学 1対1対応の演習』の一番の特長と言ってもいいでしょう。

この解説を理解することで次の難易度の高い問題集をよりスムーズに理解することができるようになります

したがって難関国公立大学を目指すような『大学への数学 1対1対応の演習』より難易度の高い問題集をやらないといけない人は

『大学への数学 1対1対応の演習』の解説が後々役に立ってきます。

関関同立、MARCH、地方国公立大学志望の方は問題自体は取り組む必要がありますが

解説はややマニアックなものも含まれるので注意が必要です。

具体的にどう上級者向けか例を上げましょう。

普通に定積分

$$\int_{-1}^2 (-x^3+3x+2) dx $$

$$ = -\int_{-1}^2(x^3-3x-2) dx $$

$$= - \left[ \frac{1}{4}x^4 - \frac{3}{2}x^2 - 2x \right]_{-1}^{2} $$

$$= - \frac{1}{4} \{2^4 - (-1)^4 \} + \frac{3}{2}\{2^2 - (-1)^2\} + 2\{2 - (-1)\}$$

$$= - \frac{15}{4} + \frac{9}{2} + 6 $$

$$= \frac{-15+18+24}{4} $$

$$= \frac{27}{4} $$

1対1対応の演習

$$\int_{-1}^2 (-x^3+3x+2) dx $$

$$= -\int_{-1}^2(x^3-3x-2) dx $$

$$= -\int_{-1}^2(x + 1)(x^2 - x -2) dx $$

$$= -\int_{-1}^2 (x + 1)(x + 1)(x - 2) dx $$

$$= -\int_{-1}^2 (x + 1)^2(x - 2) dx $$

$$= -\int_{-1}^2 (x + 1)^2 \{(x + 1) - 3\} dx $$

$$= -\int_{-1}^2 \{ (x + 1)^3 - 3(x + 1)^2 \} dx $$

$$= - \left[ \frac{1}{4}(x + 1)^4 - (x + 1)^3 \right]_{-1}^{2} $$

$$= - \frac{3^4}{4} + 3^3 $$

$$= \frac{-81 + 108}{4} $$

$$= \frac{27}{4} $$

この解き方は\( \frac{1}{6} \)を導く時に使われたりする方法で

応の利く計算方法です。

このように応用の利く解き方が随所に散りばめられています

短期間でマスターできる

着目すべきは丁度良い問題数であるということ。

有名な青チャートや基礎問題精講と比較すると

大学への数学 1対1対応の演習(例題) 基礎問題精講(例題) 青チャート(例題)
数学Ⅰ 53問 94問(六訂版) 194問
数学A 54問 60問(六訂版) 156問
数学Ⅱ 83問 109問(五訂版) 251問
数学B 59問 58問(五訂版) 169問
数学Ⅲ 75問(微積分編)36問(曲線・複素数編) 125問(四訂新装版) 293問
合計 360問 446問 1063問

青チャートは基礎から難関レベルまで網羅性はありますが、この問題数を全部マスターするには時間が掛かり過ぎます。

『大学への数学 1対1対応の演習』であれば1日10題やれば36日(1ヶ月強)、1日5題であれば72日(2ヶ月半)で1周することができます。

難易度は共通テストを超える

難易度は共通テストを超えてくるレベルなので産近甲龍志望の方はこのレベルの参考書ではややオーバーしてしまうでしょう。

関関同立志望の方は理系であれば頻出である数学Ⅲの内容についてはやっておくのも良いと思いますが、やらなくても合格点は取れると思います。

一方で旧帝大、京大、東大志望の方はこのレベルの参考書を通過点としてもう一つレベルの高い河合塾の『プラチカ』や旺文社の『標準問題精講』などの参考書へと移る必要があります。

以下まとめると

大学レベル 参考書の接続の仕方
産近甲龍(近は除く)以下 基礎問題精講→過去問
近畿大学、関関同立 基礎問題精講→1対1対応の演習(一部)→過去問
旧帝大、京大、東大 基礎問題精講→1対1対応の演習→プラチカ、標準問題精講など→過去問

いつから?いつまでに終わらせる?

大学レベルごとにまとめた表を書きました。

大学レベル 1対1対応の演習をいつからいつまでに?
産近甲龍(近は除く)以下 やらない
近畿大学、関関同立 夏休みから11月くらいの期間
旧帝大、京大、東大 夏休み前までに終わらせる

注意点

『1対1対応の演習』は問題は共通テストを超えて入試基礎レベルで解説は入試標準レベルといった特殊な問題集になります。

『1対1対応の演習』は次の応用問題集を理解するための橋渡しとして利用することをオススメします。

『1対1対応の演習』をゴールとして設定するのは解説が難解なためオススメしません。

数学が得意で好きな人向けなので以上のことに注意しましょう。

まとめ

大学への数学 1対1対応の演習は難関大学志望の方が短期間でマスターするのに適した参考書です。

解説が上級者向けで数学が苦手な方には向いていないので注意してください。

旧帝大、京大、東大などの超難関大学志望の方は是非とも難解な解き方をマスターして次へのステップアップにしてください。

見開き1ページに問題と解答解説が収まっているのもポイントが高いです。

是非手にとってみてください。







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