過去問分析

広島大学(2022年度前期)の理系数学過去問の難易度・傾向・対策を分析

松尾和哉

大阪府立寝屋川高等学校卒 関西大学システム理工学部電気電子情報工学科卒 個別指導6年、集団指導2年の経験

広島大学の理系数学の概要

実施学部 総合科学部、教育学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、生物生産学部、情報科学部

試験時間 150分

入試科目 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)

問題構成 大問5題(全て記述式問題)



広島大学の理系数学の傾向

数学Ⅲからの出題は1題のみ。

大問4,5は難易度高め。

各問題の講評

難易度は★~★★★★★でつけています。(完全に主観なので参考にならない場合はごめんなさい)

問題は載せていないので手元に問題を用意してご覧ください。

第1問【3次関数の面積、高次方程式】(数学Ⅱ)(図形と方程式、積分法)

(1)★★

\(a\)の値を求める問題。共有点をちょうど二つ持つとき、方程式が異なる二つの解を持つことから場合分けをすればすぐに求まります。

(2)★★

面積を求める問題。\(a=0\)と\(a=1\)のそれぞれの時のグラフを考えることができれば定積分を解いて求めるだけです。

(3)★★★

\(a\)の値を求める問題。共有点をちょうど三つ持つ条件さえ考えることができれば定積分を用いて求まります。

全体を通して

標準的な問題です。場合分けをきちんと行い、完答できるかがポイントになります。(1)(2)までは解きたいところです。

第2問【三角形の五心、加法定理】(数学AⅡB)(図形の性質、図形と方程式、平面ベクトル)

(1)\(t\):★、\(a\):★

\(t\)と\(a\)を、それぞれ\(\theta\)を用いて表す問題。三角比を使えばすぐに求まります。

(2)★

\(a\)を\(t\)を用いて表す問題。加法定理ですぐに求まります。

(3)★★

\(t\)の値を求める問題。重心の定義を知っていれば難なく解けると思います。

(4)★★

\(t\)の値を求める問題。垂心なのでベクトルを用いて考えましょう。

(5)★★★

\(t\)のとり得る値を求める問題。外心なのですが、(3)(4)に比べると難易度は高いです。

全体を通して

(1)~(3)は基礎的な問題で公式を覚えていれば解くことができます。(4)(5)は差がつく問題になるでしょう。特に(5)は計算力も要求されるので後回しにしてもいい問題です。

第3問【最大公約数、漸化式、数学的帰納法】(数学AB)(整数の性質、数列)

(1)★

\(c_5\)と\(c_6\)の最大公約数を求める問題。漸化式に代入して順に求めれば解けます。

(2)★★

命題\(P_n\)を数学的帰納法で証明する問題。数学的帰納法と問題に書いてあるので、解きやすいと思います。

(3)★★★

\(c_n\)が\(d\)の倍数になることを示す問題。これも数学的帰納法と問題に書いてありますが、(2)に比べると少し難しいです。

(4)★★★

\(c_{2022}\)が奇数であるならば、\(a+b\)も奇数であることを示す問題。背理法で示すということが思いつけばすぐに求まりますが、やや難しい問題です。

全体を通して

(1)(2)は基本的な問題。(3)はやや難しい数学的帰納法で、(4)は(2)(3)を利用した命題の証明です。(3)は差がつく問題だが、数学的帰納法を用いてと書いてあるので解きたいところです。

第4問【玉を取り出す確率、条件付き確率】(数学A)(確率)

(1)★★

条件付き確率\(p_0,p_1\)を求める問題。設定を理解するまでに時間がかかるかもしれませんが、確率は簡単に求まります。

(2)\(q_A\):★、\(q_C\):★★

確率\(q_A,q_C\)を\(n\)を用いて表す問題。(1)を利用すればどちらもすぐに求まります。

(3)★★★★

確率\(P(X \cap Y),P(Y \cap Z)\)を\(n\)を用いて表す問題。遷移図などを書くと採点者もわかりやすいですし、自分も整理しながら解けるので書くことをお勧めします。問題はテスト全体を通してもかなり難しい問題です。

(4)★★★

条件付き確率\(P_Y(X),P_Y(Z)\)を求める問題。(3)を利用して条件付き確率を求めるだけなのですぐに求まります。

全体を通して

設定が少しややこしいため難しく感じる人が多いのではないでしょうか。(1)(2)は標準的な問題。(3)は設定を理解するのも難しく、計算もややこしいのでできる人は少ないと感じます。(4)は(3)ができれば条件付き確率を求めるだけです。(1)(2)までは解けるようにしたいところです。

第5問【数列の極限、微分法の不等式】(数学Ⅲ)(極限・微分法)

(1)★★★

大小を比較する問題。この問題が最初の難関と考えます。不等式を上手く利用して解きましょう。

(2)★★

\(m\)と\(k\)の値を求める問題。微分して接線の方程式を求めるだけなのですぐに求まります。

(3)★★

\(f(x) \ge mx+k\)が成り立つことを示す問題。増減表を書いて0以上を導けば解けます。

(4)★★★★

不等式の証明と極限を求める問題。(3)を利用しますが、かなり難しい問題です。

全体を通して

(1)からどうすればと悩む人は多いでしょう。しかし(1)は解けなくても(2)(3)は解けるので(2)(3)は解きたいところです。(4)は全体を通して一番難しい問題なので合格点ラインを目指すなら後回しするのが賢明です。

広島大学の理系数学の対策

全単元基礎問題精講の習得は必須。

基礎問題精講についての詳しい記事は以下をご覧下さい。

数学Ⅲは圧倒的に出題頻度が高いのでや1対1対応の演習などで少しレベルの高い問題に慣れておく必要があります。

数学ⅠAⅡBは確率、数列は出題頻度が高いので数学Ⅲ同様にや1対1対応の演習などで少しレベルの高い問題に慣れておく必要があります。

1対1対応の演習についての詳しい記事は以下をご覧下さい。

オススメ参考書の紹介!大学への数学1対1対応の演習!

9割以上を目指す方は確率、数列、数学Ⅲの難問対策で標準問題精講などのもう1ランク上の問題集で演習を積むことが必要になってきます。

まとめると

数学Ⅲ 数学ⅠAⅡB
7割以上 基礎問題精講+1対1対応の演習 基礎問題精講+1対1対応の演習(確率、数列)
9割以上 基礎問題精講+1対1対応の演習
+標準問題精講
基礎問題精講+1対1対応の演習
+標準問題精講(確率、数列)

また別ルートとしてこちらもオススメです。

数学I A II B:文系の数学 重要事項完全習得編→文系の数学 実戦力向上編

数学III:基礎問題精講→数学III 重要事項完全習得編

文系の数学 重要事項完全習得編

数学III 重要事項完全習得編

私ならこう対策をとる

7割を取れるように対策をとると仮定した場合

数学ⅠAⅡBについては夏休み前までに『基礎問題精講』をマスターする。

数学Ⅲについては学校の進度に合わせて『基礎問題精講』をマスターしていく。

夏休み以降は出題頻度の高い数学Ⅲ分野、確率、数列を中心に

『1対1対応の演習』で応用問題演習を行い、

12月くらいから共通テスト対策として共通テストの過去問を

共通テスト後は二次試験対策として過去問を解いていく流れでやっていきます。

各年度の講評

各年度の講評はこちらからご覧ください。

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大阪府立寝屋川高等学校卒 関西大学システム理工学部電気電子情報工学科卒 個別指導6年、集団指導2年の経験

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