過去問分析

広島大学(2019年度前期)の理系数学過去問の難易度・傾向・対策を分析

松尾和哉

大阪府立寝屋川高等学校卒 関西大学システム理工学部電気電子情報工学科卒 個別指導6年、集団指導2年の経験

広島大学の理系数学の概要

実施学部 総合科学部、教育学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、生物生産学部、情報科学部

試験時間 150分

入試科目 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)

問題構成 大問5題(全て記述式問題)



広島大学の理系数学の傾向

数学Ⅲからの出題は3題(うち1題は複素数平面)。

例年に比べると全体的に難易度が高め。

各問題の講評

難易度は★~★★★★★でつけています。(完全に主観なので参考にならない場合はごめんなさい)

問題は載せていないので手元に問題を用意してご覧ください。

第1問【等比数列、対数の計算、等差数列】(数学ⅡB)

(1)★★

\( b_n\)の一般項を求める問題。(1)にしては少し難しい印象はあります。\(b_{n+1}=ar^nb_n\)を繰り返し使うことに気づけるかどうかです。

(2)★★

数列\({c_n}\)が等差数列であることを証明する問題。(1)の結果を\(c_n\)に代入して\(初項+(n-1)公差\)の形に持っていくように計算すれば解けます。

(3)★★

数列\({d_n}\)が等比数列であることを証明する問題。(2)の結果を利用して\(d_n=初項×公比^{n-1}\)の形に持っていくだけです。

全体を通して

(1)さえ乗り越えれば全体的に易しい問題です。合格するためには完答したいところです。

第2問【確率、数列】(数学AB)

(1)★★

\(P_4\)が原点に一致する確率を求める問題。確率自体は簡単に求まりますが、記述の仕方がやや難しいように感じます。

(2)★★★

\(P_4\)が連立不等式の表す領域にある確率を求める問題。数列の和なども出てくるので難易度は上がります。

(3)★★★★

\(P_4\)が直線y=x上にある確率を求める問題。(2)まで解けている人は同じように場合の数を求められるかもしれませんがかなり難しい問題です。

(4)★★★★

\(P_4\)が原点に一致し、かつ、四角形\(P_1P_2P_3P_4\)の面積が\(2^m\)となる確率を求める問題。(3)まで解けていても難しい問題です。

全体を通して

全体的にかなり難しい問題です。(1)は絶対は落とせませんが、(2)以降は後回しでもいいかもしれません。

第3問【微分法・積分法】(数学Ⅲ)

(1)\(f(0)\):★、等式の証明:★★★

\(f(0)\)の値と等式を証明する問題。値は簡単に求まりますが、等式の証明は簡単には求まりません。積の微分や定積分で表された関数の扱いを理解していなければなりません。

(2)★★

\(f(x)\)を求める問題。(1)で\(f'(x)\)が求まっていますので不定積分を解けば求まります。

(3)★★

\(0<x<π\)の範囲にただ一つの解をもつことを示す問題。\(f(1)>0\)の証明がやや難しいがそれ以外は典型的な問題です。

(4)★★

\(S_1\)と\(S_2\)の大小判定をする問題。これは定積分を解けば答えは出ますのでそれ程難しくありません。

全体を通して

(1)(2)はやや戸惑ってしまう人もいるかもしれませんが、全体的には標準的な微積分の問題です。計算力もそこまで必要もないので完答したいところです。

第4問【複素数平面、軌跡】(数学ⅡⅢ)

(1)★★

\(w\)の実部が0となる複素数\(z\)全体を複素数平面上に図示する問題。\(z=x+yi\)とおいて計算すればすぐに求まります。

(2)★★

\(w=0\)を満たす複素数\(z\)を求める問題。条件も判断しやすくそれ程難しくありません。

(3)★★★

複素数\(w\)の描く図形を複素数平面上に図示する問題。線分\(AM\)上の点を表す複素数\(z\)を実数\(t\)で表すところが難しい問題です。

(4)★★★

複素数\(w\)の描く図形を複素数平面上に図示する問題。(3)に比べると複素数\(z\)は表しやすいかと思います。

全体を通して

全体を通して標準的な問題です。(1)(2)は落とせません。(3)がキー問題となりそうです。(4)は(3)が解けなくてもできるので(3)を飛ばして解くのもアリです。

第5問【三角形の五心、平面ベクトル、円と直線、最大値・最小値】(数学AⅡBⅢ)

(1)★

\(∠APB\)が直角となる\(t\)の値を求める問題。ベクトルを使えばすぐに求まります。

(2)★★

点\(H\)の座標を\(t\)を用いて表す問題。これもベクトルですぐに求まります。

(3)★★★★

内心であることを証明する問題。問題にヒントがあるのでそれを使うことを考えれば証明手順は思いつくかもしれないができる人は少ないでしょう。

(4)★★★★

\(△ODE\)の内接円の半径を\(t\)の関数で表す問題。半径を点と直線の距離で求めるということが思いつくかどうかはかなり難しいです。

(5)★★★★

関数\(f(t)\)は最大値をもつことを示す問題。計算も複雑でかなり難しい問題です。

(3)(4)(5)はテスト全体を通しても難しい問題です。最低でも(1)(2)は解きたいところです。

広島大学の理系数学の対策

全単元基礎問題精講の習得は必須。

基礎問題精講についての詳しい記事は以下をご覧下さい。

数学Ⅲは圧倒的に出題頻度が高いのでや1対1対応の演習などで少しレベルの高い問題に慣れておく必要があります。

数学ⅠAⅡBは確率、数列は出題頻度が高いので数学Ⅲ同様にや1対1対応の演習などで少しレベルの高い問題に慣れておく必要があります。

1対1対応の演習についての詳しい記事は以下をご覧下さい。

オススメ参考書の紹介!大学への数学1対1対応の演習!

9割以上を目指す方は確率、数列、数学Ⅲの難問対策で標準問題精講などのもう1ランク上の問題集で演習を積むことが必要になってきます。

まとめると

数学Ⅲ 数学ⅠAⅡB
7割以上 基礎問題精講+1対1対応の演習 基礎問題精講+1対1対応の演習(確率、数列)
9割以上 基礎問題精講+1対1対応の演習
+標準問題精講
基礎問題精講+1対1対応の演習
+標準問題精講(確率、数列)

また別ルートとしてこちらもオススメです。

数学I A II B:文系の数学 重要事項完全習得編→文系の数学 実戦力向上編

数学III:基礎問題精講→数学III 重要事項完全習得編

文系の数学 重要事項完全習得編

数学III 重要事項完全習得編

私ならこう対策をとる

7割を取れるように対策をとると仮定した場合

数学ⅠAⅡBについては夏休み前までに『基礎問題精講』をマスターする。

数学Ⅲについては学校の進度に合わせて『基礎問題精講』をマスターしていく。

夏休み以降は出題頻度の高い数学Ⅲ分野、確率、数列を中心に

『1対1対応の演習』で応用問題演習を行い、

12月くらいから共通テスト対策として共通テストの過去問を

共通テスト後は二次試験対策として過去問を解いていく流れでやっていきます。

各年度の講評

各年度の講評はこちらからご覧ください。

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大阪府立寝屋川高等学校卒 関西大学システム理工学部電気電子情報工学科卒 個別指導6年、集団指導2年の経験

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